このエピソードでは、龍谷ミュージアム学芸員の村松加奈子さんがゲストとして招かれ、日本の地獄絵図の歴史と変化について、ホラーやオカルトをテーマとする番組ホストの望月哲史さんと対談しています。平安時代の貴族階級向け絵図は、救いのない残酷な描写で、死後の世界への恐怖を強調し、来世への備えを促す役割を果たしていたことが説明されます。例えば、血みどろの描写や、繰り返し苦痛を受ける様子が描かれた「地獄造詞」などが紹介されています。対照的に、江戸時代以降、庶民の間で仏教が広まるにつれて、地獄絵図はよりコミカルでユーモラスな表現へと変化していき、死をある種の諦観やユーモアで受け止める傾向が反映されていることが示唆されています。例えば、鬼がお茶をたてたり、閻魔様が若い女性に踏まれたりといった、シュールな描写が紹介されています。この変化は、庶民の生活における苦難や、死後の世界に対する考え方の変化を反映していると考えられます。 さらに、水木しげるの作品が、古い地獄絵図をモチーフにしている例が示され、古来からのイメージが現代の表現にも影響を与えていることがわかります。 全体として、この対談は、地獄絵図という視覚文化を通して、時代や社会の変化、そして人々の死生観を考察する興味深い内容となっています。
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