128. 冒険する組織のつくりかた w/ YukiAnzai

このエピソードでは、安斎さんによる新刊「冒険する組織のつくりかた」をテーマに、組織論における従来の軍事的な世界観からの脱却と、新たな「冒険的世界観」の提唱が議論されています。安斎さんは、自身のこれまでの研究成果である「問いのデザイン」や「問いかけの作法」を踏まえつつ、組織全体の構造、制度、理念、カルチャーを総合的に捉える必要性を強調しています。 より具体的には、従来の SMART 目標設定からの脱却を提案し、代わりに「アライブの法則」を提示、適応性、学習、興味、ビジョン、実験性を重視した目標設定を推奨しています。 さらに、人事における転勤や移動といった慣習についても、個人のキャリアプランとの整合性を重視した新しいアプローチの必要性を指摘し、偶発性理論の濫用への懸念を示しています。 例えば、KPI や KGI といった数値目標についても、単なる管理ツールではなく、チームにとって意味のある物語を紡ぎ出すためのツールとして捉え直す必要性を訴えています。 最後に、理念や文化の浸透についても、トップダウンではなくボトムアップのアプローチ、そして「ハレとケ」の概念を効果的に活用することで、組織全体の創造性を高める方法が示唆されています。 これは、現代の組織運営において、個人の主体性と多様性を尊重した新しいパラダイムシフトを示唆するものであり、今後の組織論やマネジメント手法に大きな影響を与える可能性を示しています。