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19 Jun 2026
58m

第256回「廃用身」-“医療”はどこまで許される?-

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女ふたり、映画のばなし

映画『廃用身』は、回復の見込みがない麻痺した手足の切断を「ケア」として推奨する架空の医療行為を軸に、現代社会の倫理観や同調圧力を鋭く問いかける。本作は、身体の自由を失う苦痛と、切断によって得られる利便性や精神的解放の狭間で揺れる人間の葛藤を描き出す。現役医師による原作が持つリアリティを背景に、介護負担の軽減という合理性が個人の尊厳を侵食する危険性や、安楽死にも通じる「正常な判断」の定義の曖昧さを浮き彫りにする。明確な善悪を提示せず、観客に倫理的な問いを投げかけ続ける本作の多面的な構成は、超高齢化社会における「人間らしさ」の境界線を再考させる契機となる。

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