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Next寺嶋曜の小説『深淵のカナリア』は、警察小説の王道と特殊能力ミステリーを融合させた意欲作である。主人公の尾崎細子が持つ「右目で 3 年前の景色が見える」という能力は、証拠能力を持たない制約付きの力として描かれ、地道な捜査と組み合わせることで独自の知恵比べを生み出している。警察小説特有の組織内の対立やハードな事件描写を維持しつつ、本格ミステリーの醍醐味である論理的な謎解きを両立させた点が最大の特徴だ。また、尾崎、署長の深澤、ベテラン刑事の湯気の 3 人組が織りなす人間ドラマや絶妙な距離感が、物語に深みを与えている。警察小説の定型に飽きている読者にとっても、エンターテインメントとして高い完成度を誇る一冊である。
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